初診日:※※※
CASE HISTORY
78歳男性.
10年以上前から高血圧と心房細動でクリニックを通院していた.
半年くらい前から足がむくむようになり,靴を履くのがきつくなった.
最近になって動いた時に動悸を感じるようになり,食欲もなくなってきたためかかりつけ医に相談してみた.
レントゲンを撮ってみると「胸に水が溜まっている」と言われ,専門病院へ転院搬送となった.
※フィクションです.
CASE SUMMURY
心房細動:曇天(赤)
心房細動は,不整脈の一種です.
心房と呼ばれる心臓の上部にある部屋が小刻みに痙攣しています.
大きく分けて3つの弊害があります.
- 脈がとても速くなる(頻脈)
- 心臓が疲れて脈が遅くなる(徐脈)
- 心臓に血栓ができる ⇒脳梗塞のリスク
また,心不全の原因にもなります.
これは,脈が速すぎても遅すぎても,心臓のポンプがうまく機能しなくなるからです.
このように,さまざまなリスクをはらむ心房細動を,赤く不気味な雲が表現します.
三尖弁閉鎖不全症(重症):渦巻く流水模様
心臓の中には,逆流を防止するための弁があります.
弁の機能に異常がある状態を弁膜症と言います.
この症例では,三尖弁という名前の弁がうまく閉じなくなっています.
「三尖弁閉鎖不全症」という名前の弁膜症です.
しっかり弁が閉じないことで,血液が逆流してしまいます.
逆流によってできる乱流を,渦の流水模様が表現しています.
正常な心筋:和金
和金は,金魚すくいでも定番の品種であり,最もなじみのある金魚の品種です.
特に異常のない心筋を表現しています.
冠動脈(心臓の血管)に狭いところはない:綺麗に咲く梅の木
心臓を栄養する血管(冠動脈)に,狭い部分や閉塞している部分はありません.
梅の木が綺麗に咲いています.
収縮力が軽度に低下:胡麻文様の満月
心臓はポンプの臓器です.
"ギュッと"縮こまる力(収縮力)は,心不全の予後や治療法に影響を与えます.
胡麻文様には,健康長寿を祈る意味が込められています.
この症例は,少し収縮力が低下していますが,これから適切な治療を行うことで寿命を延ばせます.
そんな長生きの祈りを胡麻文様の月が示しています.
Point
慢性の心房細動による三尖弁閉鎖不全症や頻脈によって起きた心不全.
TREATMENT RECORD
(救急搬送中...)